2015/2/25 再鑑賞による追記、星評価★★★☆→★★★★☆に変更
As If I Am Not There
2010/109min/アイルランド=マケドニア=スウェーデン
ドラマ
監督:ファニタ・ウィルソン(Juanita Wilson)(長編監督デビュー作)
原作:Slavenka Drakulić
出演: Natasa Petrovic、Fedja Stukan、
Original Penguin メンズ アクセサリー ハンカチ Original Penguin Penguin logo knitted scarf in grey メンズ受賞:第8回(2011)アイルランド・アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚本
IMDb評価:7.3/10
第24回(2011)ヨーロッパ映画賞 作品賞候補 全45作品については
こちら第84回(2012)アカデミー賞 外国語映画賞アイルランド代表作品 全作品については
こちら衝撃度 ★★★★★
哲学度 ★★★★
社会度 ★★★
サミラはサラエボで学校教師として働いていたが、地方への赴任が決まった。引っ越しも済み、授業も始まった矢先、銃を持った男が部屋に突然乱入し、すぐ荷物をまとめろと言われる。村の住民たちは一斉にある場所へ集められ、男女別に分けられた。男性たちがその場を後にすると、すぐに銃声が響き渡り、女性たちは何が起こったのかを察する。そして、バスで別の場所へと連れて行かれた。老女たちは労働を虐げられ、若い女性たちは…。
監督はアイルランド人女性。監督デビュー作「The Door」は、アカデミー賞短編賞にノミネートされ、本作が2作目。長編ではデビュー作となる。
ストックホルム在住のクロアチア人作家 Slavenka Drakulićの体験記を原作としている。政治的な理由で、スウェーデンに亡命し、現在は数カ国に渡って新聞や雑誌にコラムを掲載している。
バリアフリー用品品揃え豊富です パナソニック 補高便座やわらか #3(3cm) VALSHBY3 【代引不可/沖縄・離島は送料見積】以外は国際的には無名な俳優ばかり。IMDbによると、大半が旧ユーゴスラビア出身のようである。戦争経験者であるかと思うと、感慨深いものがある。
ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナで1992年から1995年まで続いた内戦、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景とし、犠牲になった1人の女性の運命を体験記に基づいて描く。
冒頭、シャワーを浴びているサミラは出血している。そして、横たわるサミラに水のようなものを掛けられるシーン、そして、赤ん坊が映し出される。補足説明はなく、サラエボを去るサミラの姿に切り替わるが、それが何を意味するのか徐々に明かされていく。
サエラを含めた数人の若い女性たちは兵士たちの性の奴隷となった。身も心もボロボロになり、もはや身だしなみに気遣う女性は1人もいない。しかし、みすぼらしい姿を鏡で見て愕然としたサエラは急に化粧をし始める。安い女になりたくなかったのである。そして、キャプテン専属の愛人となるのであった。手荒な部下たちに弄ばれるよりずっとマシであった。時折、笑顔を見せるようになる。
ところが、キャプテンが老人を銃撃しているのを目撃してしまい、サミラは動揺を隠せない。銃で人を殺すのは自分の意思ではなく、上からの指示でやむを得ないというキャプテン。自分も男に服従しているサミラと同じ立場であると主張する。その日を境に、キャプテンはサミラを呼ばなくなった。心境の変化があったことは推測できるが、描かれてはいない。
倫理的な観点から心理を深堀りして欲しかったと思う。女性なら誰しも怒りが込み上げてくる話である。女性監督でありながら、主観的になっておらず、淡々と進んでいく。一体何事が起こっているのか戸惑うシーンも多く、敢えて伏せた描き方をしているようでもあるが、全く飽きさせない作り。ショックのほうが大きいが、100分がもの凄く短く感じるほどハマってしまった。
終盤になると、おそらく意図的だとは思うが台詞の全くないシーンが続く。
ドラマチックな描き方をしているが、映像から読み取るには説明不足であり、観る者に解釈を委ねるにしても曖昧すぎる点がいくつもある。
ご本人が今スウェーデンで幸せに生きてらっしゃることが結論と考えることもできるが、どうも釈然としない…。
追記2015/2/25(核心に触れています。)
アラブ国へ旅行へ行く前にと再鑑賞。以前観た時は、勉強不足であったことを痛感した。
本作で描かれているのはボスニア紛争の、まさに民族浄化といられている出来事で、セルビア人によるムスリム人女性のレイプ事件を軸としている。冒頭でサミラは産まれたばかりの赤ん坊を見つめているが、その表情は複雑。なぜならサミラは複数男性にレイプされており、望まれた子供ではないからである。本などによると、こうして産まれた子供たちは捨てられ、やむなく施設で育てられるケースが多かったという。
作品の配分としては、ボスニア紛争での出来事に重きを置いているが、どんな状況下でも一人の人間として懸命に生き、諦めない姿には心打たれる。中絶が間に合わず、やむを得ず出産するが、捨てるか育てるかどうか女性としての葛藤も繊細に描かれている。自分がサミラの立場だったらどのような決断を下すだろうか。本作の決断は観客自身に委ねられている。
<鑑賞> 英語字幕 2011/10/28、2015/2/24
初版2011/11/4
追記2015/2/25
- 関連記事
-
Koo (02/18)
みち (02/16)
☆Koo(くぅと読みます)☆ (06/07)
大湾節子 (04/12)
Koo (09/07)
Koo (08/18)
みち (08/18)
Koo (04/13)
latifa (04/13)
Koo (01/23)
ベルモンド (01/23)
Koo (01/05)
みち (01/05)
Koo (11/29)
みち (11/29)
Koo (11/02)
いちご (11/02)
Koo (10/18)
Koo (09/05)
latifa (09/05)
Koo (08/22)
ベルモンド (08/22)
Koo (08/11)
みち (08/11)
Koo (08/07)